猛者、現る!

jp-plus2005-07-24

 その日は天気が良く、いや良すぎてかなり暑い日であった。
お昼頃だったか。フロアに入っていると一人の人物が買取にきた。
いつものように接客を開始しようとした瞬間!悲劇が起こった。
胃液が一気に喉元まで駆け上がったのだ。な、何が起こった?
一瞬の出来事にパニック状態。これではまともに接客ができない、
そう思い、口に少し含まれた胃液を吐いて冷静を装うように心掛けた。
そして接客を再開しようとした瞬間、また吐き気が襲ってきた。
この時になって初めて何故吐き気が襲ってきたのかを理解することが出来た。
それは接客をしようとした人物の圧倒的までの『臭い』が原因であった。


この業界で仕事をやるようになってすでに10年が経った。
故に『臭い』に関してはモンスター級の猛者達と激戦を繰り広げてきては
耐性をつけてきた。鼻毛が防御壁と化し、最大の撃退法のエアウォッシュを
右手に装備すれば耐えうる事ができると確信を持っていた。
言わば、このATフェールドを持ってすれば何も恐れることはない!
この時まではそう思っていた。


この猛者は私のATフェールドを軽く破り、一瞬何が起こったかわからなくするほどの
ダメージを私にあたえたのである。鼻がもげたかと思うぐらい。初めて恐怖した。
「モ、モンスター級どころじゃねー!こいつは悪魔だ!」
私はこの猛者をスタンド使い【ザ・スメル】と名付けた。
【ザ・スメル】の特徴は、近距離パワー型、残香タイプ。
臭いの種類は、この暑い中、密室で放置してハッコウしてしまった酢飯タイプ。


なんとか体力の限界を感じつつも、接客を終えて一言。
「全米ほどじゃないけど、オレ震撼しちゃったよ」


ンガッ!